高齢者の糖尿病のコントロール指針が
が公表されました.
第59回日本糖尿病学会年次学術集会(5月19~21日)では,日常生活動作(ADL),年齢,認知機能,薬物療法の内容などを勘案し,カテゴリーごとにきめ細かなHbAIc管理目標値が策定されました(表). 患者の個別性を重視する方針が取られており,血糖管理目標値は患者ごとに柔軟に運用できるようになっております.

基本的な考え方

1.血糖コントロールは個別に設定.
年齢、認知機能、身体機能、併発疾患、重症低血糖のリスク、
余命などを考慮.
2.より安全な治療を行う.
重症低血糖が危惧される場合は、目標下限値を設定する.
3.高齢者では目標値を柔軟に設定する.

■高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値)

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カテゴリーⅠ
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カテゴリーⅡ
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カテゴリーⅢ
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・認知機能正常
かつ
・ADL自立
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・軽度認知機能障害
~軽度認知症
または
・手段的ADL低下
・基本的ADL自立
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・中等度以上認知症
・基本的ADL低下
または
・多くの併存疾患
や機能障害
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重症低血糖が
危惧される薬剤
の使用
(インスリン.SU剤.グリニド薬)
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なし |
~6.9 |
~6.9 |
~7.9 |
あり |
65~74歳 |
75歳~ |
7.0~7.9 |
7.5~8.4 |
6.5~7.4 |
7.0~7.9 |
治療目標は、年齢、罹病期間、低血糖の危険性、サポート体制などに加え、高齢者では認知機能や基本的ADL、手段的ADL、併存疾患なども考慮して個別に設定する。ただし、加齢に伴って重症低血糖の危険性が高くなることに十分注意する。
注1:
患者の特徴・健康状態でカテゴリー分類
▶ 認知機能や基本ADL(着衣,移動,入浴,トイレの使用など) 手段的ADL(IADL:買い物,食事の準備,服薬管理,金銭
管理)に関し評価いたします.
▶ エンドオブライフの状態では,著しい高血糖を防止し,それ
に伴う脱水や急性合併症を予防する治療を優先します.
手段的ADL(IADL:買い物、食事の準備、服薬管理、
金銭管理など)の評価に関しては、 日本老年医学会のホーム
ページ ( http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/ ) を参照す
る。エンドオブライフの状態では、著しい高血糖を防止し、
それに伴う脱水や急性合併症を予防する治療を優先する。
注2: 合併症予防の目標値
▶ 高齢の基本的目標:7.0未満
▶ 無理なく達成可能な場合の目標:6.0未満
▶ カテゴリーⅢ相当で薬物治療が困難な場合・重篤な併存
疾患を有し,治療強化が困難な場合:8.5未満
注3: 糖尿病罹病期間を考慮
▶ 合併症発症・進展が優先される場合 → 重症低血糖
の予防を講じながら厳密にコントロール
▶ 65歳未満から治療中であり,血糖」コントロール状態
が良好な場合 → 現状を維持
▶ グリニド薬は種類・使用量・血糖値など勘案し、重症低血糖
が危惧されない薬剤に分類されることもある
【重要な注意事項】
糖尿病治療薬の使用にあたっては、日本老年医学会編「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」を参照すること。薬剤使用時には多剤併用を避け、副作用の出現に十分に注意する。
(日本糖尿病学会のホームページより抜粋)
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