
骨粗鬆症とは、骨が脆く弱くなり、骨折しやすくやすくなる病気です。日本には約1000万人以上いるといわれており、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。
2025 年 8 月 1 日に、「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」が 10 年ぶりに改訂されました。
■ 原発性骨粗鬆症の診断
▣ 骨塩量が YAM 70%以下 または Tスコア-2.5SD以下 の
場合、骨粗鬆症と診断。
▣ 骨塩量が YAM 80%以下 または Tスコア-1.0SD以下 の
場合、以下の脆弱骨折を合併していれば骨粗鬆症と診断。
(橈骨遠位端骨折、上腕骨近位部骨折、肋骨骨折、骨盤骨折、
下腿骨骨折)
▣ 椎体骨折または大腿骨近位部骨折がある場合は、骨塩量に関係
なく骨粗鬆症と診断。
■ 骨折の危険因子
| 宿主要因 |
環境要因 |
|
・女性、高齢、
・低骨密度、低体重、低BMI
・既存骨折
・骨折家族歴
・転倒
・薬剤
グルココルチコイド、トランキワイザー、
抗てんかん薬、抗うつ薬
降圧薬 など
・疾患
2型糖尿病、COPD、CKD、
脳卒中後、パーキンソン病、
アルコール依存症、全身衰弱
|
・生活習慣
喫煙、飲酒、運動不足、
栄養素の不足(カルシウム、ビタミンD
ビタミンK、たんぱく質)
低活動性、
・生活環境
転倒しやすい生活環境、季節
足に合わない履物
滑りやすい床
つまずきやすい環境
手すりのない階段
照明の不備
|
■ 骨粗鬆症の予防方法
1)若年者における予防

 
▣ 最大骨量(PBM)は、20歳頃にPBMに達するとさ
れています。したがって、若年期に十分な骨量を
獲得することが重要とされています。
▣ PBMの決定因子は、内的要因と外的要因に分か
れます(ホルモン背景・腸内細菌叢 体組成・喫煙
栄養(カルシウム、ビタミンD)・ 身体活動・生活
習慣・遺伝など)。しかし、各要因がどのくらい
関与しているかについては依然として解明されて
いません。
▣ 18歳以前に介入するのが、よいとされています。
2)中高年者の予防



▣ 運動;負荷の強さにかかわらず、運動の効果が
示唆されています。
▣ 喫煙:喫煙によりカルシウムの吸収が阻害され
尿中へのカルシウム排泄が促進されます。また
⼥性ホルモンの分泌を低下させ、骨量が減量し
ます。禁煙の有効性、喫煙しない重要性が示唆
されています。
▣ 過度の飲酒:多量のアルコール摂取により、カ
ルシウムの吸収の阻害、尿中へのカルシウム排
泄が促進される可能性があります。中高年では
、男女ともに飲酒はエタノール量で1日22g以下
が骨折予防になると示唆されています。
▣ 紫外線によって体内のビタミンDが活性化し、
カルシウムの吸収率が高まります。 1日15分は
日光を浴びましょう
3)運動療法



▣ 骨折予防に運動療法を実施することが提案され
ます(エビデンスの強さ B)
▣ 骨密度上昇効果や身体機能改善による転倒予防
効果が期待されます。
▣ 有酸素運動、筋力トレーニング その複合運動、
ウォーキング、荷重運動、太極拳 全身振動刺
激運動,水中運動があげられます。いっぽうで
骨折予防に有効な「運動の種類」、「強度」、
「時間」、「期間」は確立されていません。

■ 骨粗鬆症の食事療法
| 推奨される食品 |
過剰摂取しない方が良い食品 |
●カルシウム(700~800 ㎎)

牛乳・乳製品,小魚,
緑黄色野菜,大豆製品
●ビタミンD(10~20μg)

魚類,キノコ類
●ビタミンK(250~300 μg)

納豆,緑色野菜
●果物と野菜・タンパク質

肉・魚,卵,豆,乳製品 |
●リンを多く含む食品
カルシウムの排泄↑

一部加工食品,一部清涼飲料水
●食塩

●カフェインを多く含む食品

コーヒー, 紅茶・アルコール
|
カルシウム


▣ 骨密度上昇に対し、投与提案(エビデンスの強さ D)
▣ 骨折抑制に対し、投与提案(エビデンスの強さ C)
▣ 700~800mg/日摂取することが提案されます(エビデンスの強さ C)。
▣ カルシウム薬が過量投与の場合には、便秘を引き起こすことがあります。
▣ 活性型ビタミンD3薬と併用は、高カルシウム血症に注意が必要です。
▣ カルシウムサプリメントは、1回500㎎以上の投与で心血管障害リスクが高ま
ったとの報告があります。
カルシウム自己チェック表
| 摂取品目 |
0点 |
0.5点 |
1点 |
2点 |
4点 |
| 牛乳 |
(-) |
月1-2 |
週1-2 |
週3-4 |
毎日 |
| ヨーグルト |
(-) |
週1-2 |
週3-4 |
毎日 |
毎日2個 |
| チーズetc乳製品 |
(-) |
週1-2 |
週3-4 |
毎日 |
毎日2種 |
| 大豆,納豆など豆類 |
(-) |
週1-2 |
週3-4 |
毎日 |
毎日2種 |
| 豆腐,揚げetc大豆製品 |
(-) |
週1-2 |
週3-4 |
毎日 |
毎日2種 |
| ホウレン草,小松菜etc青菜 |
(-) |
週1-2 |
週3-4 |
毎日 |
毎日2種 |
| 海草類 |
(-) |
週1-2 |
週3-4 |
毎日 |
|
| 骨ごと食べる魚 |
(-) |
月1-2 |
週1-2 |
週3-4 |
ほぼ毎日 |
| 小魚(シラス・エビ) |
(-) |
週1-2 |
週3-4 |
毎日 |
毎日2種 |
| 食事回数 / 日 |
|
1ー2食 |
|
欠食多 |
3食 |
| 合計点数 |
判定 |
コメント |
| 20点以上 |
良い |
1日必要量(800㎎)がとれてます |
| 16~19点 |
少し不足 |
1日必要量に少し不足.摂取を心がけ |
| 11~15点 |
不足 |
1日摂取量600㎎.食事の工夫が必要 |
| 8~10点 |
かなり不足 |
1日必要量の半分しかとれていない
|
| 0~7点 |
全く足りない |
ほとんどとれていない. |

カルシウム推奨量(700~800mg)

| 食品 |
一回使用量(g) |
カルシウム量(mg) |
| 牛乳 |
200 |
220 |
| スキムミルク |
20 |
220 |
| プロセスチーズ |
20 |
126 |
| ヨーグルト |
100 |
120 |
| 干しエビ |
5 |
335 |
| ワカサギ |
60 |
270 |
| ししゃも |
50 |
175 |
| 豆腐 |
75 |
90 |
| 納豆 |
50 |
45 |
| 小松菜 |
80 |
136 |
| 青梗菜 |
80 |
80 |
日本食品標準成分表2010より抜粋

ビタミンKチェック表
| 納豆(50g / パック) |
摂取(±)
;0点 |
摂取(少)
;10点 |
週4-5回
;25点 |
1日1回以上
;40点 |
野菜
(一食) |
摂取(±)
;0点 |
摂取(少)
;10点 |
片手1杯
; 15点 |
十分摂取
;25点 |
計20点未満は、ビタミンK摂取不足が予想される


ビタミンKを多く含む食品
| 食品 |
一回量(g) |
ビタミンK量(μg) |
| 糸引き納豆 |
40 |
348 |
| モロヘイヤ |
60 |
384 |
| 小松菜 |
80 |
168 |
| ほうれん草 |
60 |
162 |
| 春菊 |
50 |
125 |
| 菜の花 |
50 |
125 |
| キャベツ |
50 |
40 |
| 鶏むね肉 |
120 |
19.2 |
| カットわかめ |
1 |
16 |
| 鶏卵 全卵 |
50 |
6 |
日本食品標準成分表2010より抜粋

ビタミンD推奨量(10~20μg [400~800IU])
ビタミンDを多く含む食品
| 食品 |
一回使用量(g)
|
ビタミンD量(μg) |
| 紅サケ |
80 |
26.4 |
| まいわし |
110 |
35.2 |
| サンマ皮付き |
100 |
16.0 |
| 太刀魚 |
80 |
11.2 |
| ブリ成魚 |
80 |
6.4 |
| シラス干 |
10 |
6.1 |
| マイタケ |
50 |
2.5 |
| きくらげ |
2 |
1.7 |
| 乾燥シイタケ |
10 |
1.7 |
| 鶏卵 全卵 |
50 |
1.9 |
日本食品標準成分表2010より抜粋
■ 骨粗鬆症の治療方針
米国骨代謝学会(ASBMR)/米国骨粗鬆症財団(NOF)が 2024 年に発表した
「治療アルゴリズム(初期 治療選択)」(J Bone Miner Res. 2024;39:1393-
405.)が、ガイドラインに盛り込まれました。
| |
|
|
| 骨折既往なし |
Tスコア-2.5SD以下
YAM80以下 |
ビスホスホネートまたはデノスマブ |
| Tスコア-3.0SD以下 |
①骨形成促進薬
②ビスホスホネートまたはデノスマブ |
椎体・骨盤・大腿骨
近位部骨折
(2年以上前) |
Tスコア-2.5SD以下
YAM80以下 |
①骨形成促進薬
②ビスホスホネートまたはデノスマブ |
| Tスコア-3.0SD以下 |
その他の骨折の場合
①骨形成促進薬
②ビスホスホネートまたはデノスマブ |
椎体・骨盤・大腿骨
近位部骨折
(2年以上前) |
Tスコア-2.4SD以上
YAM80以上 |
①骨形成促進薬
②ビスホスホネートまたはデノスマブ |
その他の骨折の場合
ビスホスホネートまたはデノスマブ |
差し迫った骨折リスク
2年以内の骨折、
多発骨折など
(過去2年以内) |
椎体・骨盤・大腿骨 |
①骨形成促進薬
②ビスホスホネートまたはデノスマブ |
| その他の骨折の場合 |
①骨形成促進薬
②ビスホスホネートまたはデノスマブ |
■ 骨粗鬆薬

◇ カルシウム薬

▣ 骨密度上昇に対し、投与提案 (エビデンスの強さ D)。
▣ 骨折抑制に対し、投与提案 (エビデンスの強さ C)。

◇ ビタミンD3

▣ ビスホスホネート薬との併用により、骨密度上昇や骨折抑制が
期待されます。
▣ エルデカルシトール
骨密度上昇/骨折抑制に対し、投与推奨(エビデンスの強さ A)
▣ アルファカルシドール, カルシトリオール
骨密度上昇に対し、投与提案 (エビデンスの強さ C)。
骨折抑制に対し、投与提案 (エビデンスの強さ C)。
▣ カルシウムとビタミンDを併用すると、骨折リスクの低下が期待
できます。
▣ カルシウムサプリメントの摂り過ぎは、健康障害を引き起こす
可能性があるので注意が必要です。
▣ リン、食塩、カフェイン アルコールの過剰摂取は控えるように
心がけましょう。
▣ 高カルシウム血症に注意が必要です(腎機能低下例、高齢者、夏
場の脱水)。

◇ 選択的エストロゲン受容体修飾薬 (SERM)

▣ ホットフラッシュ、下肢痙攣を認めることがあります。
▣・乳腺や子宮内膜組織に対し、抗エストロゲン作用
・骨に対し、エストロゲン作用。
▣ 静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症, 肺塞栓症,)や視力障害(網膜
静脈血栓症)に注意が必要です
▣ 長時間の乗り物での移動、臥床を強いられる際、下肢の手術や
ギプス固定の際には休薬を必要とします。
バゼドキシフェン酢酸塩
✔ 骨密度上昇/骨折抑制に対し、投与推奨(エビデンスの強さ A)
✔ 胆汁に排泄。
ラロキシフェン
✔ 骨密度上昇に対し、投与推奨(エビデンスの強さ A)
✔ 骨折抑制に対し、投与提案(エビデンスの強さ A)
・腎臓より排泄。

◇ 選カルシトニン薬

▣ 骨密度上昇/骨折抑制に対し、投与しないことを提案
(エビデンスの強さ C)

◇ ビタミンK2

メナテトレノン
▣ 骨密度上昇に対し、投与提案(エビデンスの強さ B)。
▣ 骨折抑制に対し、投与しないことが提案(エビデンスの強さ D)。
✔ ビタミンK2はカルシウムを骨へ定着させる働きをします。
✔ 納豆、ほうれん草、春菊などの緑の葉物野菜が供給源となります。
✔ 骨が作られるのを助けます。

◇ ビスホスホネート薬(骨吸収抑制進)

▣ 胃腸障害
1回の投与量の多い場合、月(4週) 1回あるいは年1回投与の
製剤での発生頻度が高いとされています。
▣ 顎骨壊死 (osteonecrosis of the jaw: ONJ)
組織学的には口腔内の感染を伴うことが多く、またビスホス
ホネート長期投与例で発生リスクが上昇します。しかし、悪
性腫傷などの治療(高用量投与)と比較すると、骨粗鬆症治療
(低用量投与)でのONJ発生率は低いとされています。ONJに
関するポジションペーパー (2023年改訂)では、「原則とし
て抜歯時に骨吸収抑制薬を休薬しないこと」が提案されました。
ONJ発症時の休薬(治療的休薬)の要否に関しては、今後の検
討課題とされています。定期的な口腔内診査による、口腔内
の観察が推奨されています。
▣ 非定型大腿骨骨折 (atypical femoral fracture: AFF)
長期間投与で、大腿骨転子下および骨幹部骨折の発生が報告さ
れています。鼠径部または大腿骨部の鈍痛またはうずく痛みと
いった前駆症状が出現した場合には、注意が必要です。骨折は
両側性に起こることがあります。
▣ 活性型ビタミンD3薬:併用により「骨密度上昇」や「骨折抑制」
が期待できるます。
▣ ビタミンK2薬:併用により「骨密度上昇」や「骨折抑制」は
期待できるません。
リセドロネ-ト※
▣ 骨密度上昇/骨折抑制に対しに対し、投与推奨(エビデンスの強さ A)
アレンドロネート※
▣ 骨密度上昇/骨折抑制に対しに対し、投与推奨(エビデンスの強さ A)
✔ 経口剤で効果不十分例:静脈内投与製剤への変更可
✔ 嚥下機能低下例:ゼリー剤
ミノドロン酸
▣ 骨密度上昇/骨折抑制に対し、投与推奨(エビデンスの強さ A)
ゾレドロン酸水和物(リクラスト) ※
▣ 骨密度上昇/骨折抑制に対し、投与推奨(エビデンスの強さ A)
エチドロネート
▣ 骨密度上昇に対し、投与推奨(エビデンスの強さ
A)
▣ 骨折抑制に対し、投与提案 (エビデンスの強さ C)
イバンドロネート(ボンビバ)
▣ 骨密度上昇/骨折抑制に対し、投与推奨(エビデンスの強さ C)
▣ 骨折抑制に対し、投与提案 (エビデンスの強さ C)

◇ デノスマブ(骨吸収抑制)

デノスマブ(プラリア) ※
▣ 骨密度上昇/骨折抑制に対し、投与推奨(エビデンスの強さ A)

✔ 骨芽細胞や骨髄間質細胞の発現が誘導されます。
✔ カルシウムおよびビタミンD補充が必要です。
✔ 低カルシウム血症に注意が必要です。特に腎機能
低下例では注意が必要です。
✔ 投与中止後に骨密度低下や骨折リスクの上昇が報告されてお
り、他の骨吸収抑制薬の逐次治療が推奨されています。
✔ 顎骨壊死や非定型大腿骨骨折の発生に注意が必要です。
✔ 顎骨壊死 (ONJ), 非定型大腿骨骨折 (AFF)の危険性が上昇し
ます。

◇ テリパラチド(骨形成促進)

テリパラチド酢酸塩(テリボン)
▣ 骨密度上昇に対し、投与推奨(エビデンスの強さ A)
▣ 骨折抑制に対し、投与提案(エビデンスの強さ A)

✔ 週1回(合計104回、自己注射不可)、あるいは週
2回(合計208回自己注射可)の皮下投与の選択肢
があり、好みや利便性に応じて選択します。
✔ テリパラチド酢酸塩投与終了後、休薬もしくはビ
スホスホネート薬以外の骨粗鬆症治療薬(SERM,活
性型ビタミンD3,ビタミンK2、カルシトニン など)
に切り替えると、腰椎および大腿骨近位部の骨密
度低下を認めるため、慎重な配慮が必要です。
✔ 骨吸収を促進することで高カルシウム血症(嘔気・嘔吐や不
整脈に伴う動悸など)が生じる危険性があります。
✔ 若年者(骨端線が閉じていない場合)や転移性骨腫例では禁忌。
✔ 副作用(悪心,嘔吐,頭痛,倦怠感)は、1回の投与量が多いほ
ど頻度が高い傾向がみられます。

◇ アバロパラチド(骨形成促進)

アバロパラチド(オスタバロ)

▣ 骨密度上昇に対し、投与推奨(エビデンスの強さ A)
▣ 骨折抑制に対し、投与提案(エビデンスの強さ A)
✔ 骨折の危険性の高い骨粗鬆症(低骨密 度,既存骨折、加齢,
大腿骨頚部骨折の家族歴等の骨折の危険因子を有する症例)
に用いられます。
✔ 連日自己注射製剤です(治療期間は、原則18ヵ月間)。
✔ 骨吸収を促進することで高カルシウム血症(嘔気・嘔吐や
不整脈に伴う動悸など)が生じる危険性があります。
✔ 若年者で骨端線が閉じていない場合や転移性骨腫例では禁忌。
✔ 副作用(悪心,嘔吐,頭痛,倦怠感)は、1回の投与量が多いほど
頻度が高い傾向がみられます。
✔ テリパラチドと比較して、副作用の発生率は低いです。

◇ ロモソズマブ(骨吸収抑制+骨形成促進)

ロモソズマブ(イベニティ)
▣ 骨密度上昇/骨折抑制に対し、投与推奨(エビデンスの強さ A)

✔ 骨吸収抑制作用と骨形成促進作用を有します。
✔ 投与開始後12ヵ月時点までの重篤な心血管系事
象の発現がな
いか注意深く観察する必要があります。
✔ 低カルシウム血症(低頻度)をきたすことがあり、血中および
尿中カルシウム値をモニタリングしながら活性型ビタミンD3
薬を投与します。
✔ 疼痛、紅斑など注射部位反応の発現にも注意が必要です。
✔ ONJ,
AFFの発生頻度は低く、本薬との関連性は不明です。
✔ 骨密度上昇/骨折抑制に対し、投与することが推奨されてい
ます(エビデンスの強さ A)
✔ 月1回、12ヵ月間皮下投与します。
✔ カルシウムおよびビタミンDの補給を行うことが必要です。
イベニティの適応症例
| イベニティの適応症例 (以下の一つ以上をみたす場合) |
✔ 骨密度:YAM
70%以下 または Tスコア-2.5SD以下
かつ1個以上の脆弱性骨折
✔ 腰椎骨密度:YAM 60%未満 または Tスコア-3.3SD未満
✔ 椎体骨折の数が2個以上
✔ 既存椎体骨折の半定量評価法結果(SQ法)がグレード3
|
➢ 治療終了後または中止後は、骨吸収抑制薬など適切な骨粗鬆症
治療薬による逐次療法が必要です。
➢ 必要に応じて再投与が可能です。

◇ 逐次療法

▣ 遂次療法による骨折抑制効果への影響は、完全には明らかと
なっていません。
▣ 逐次療法(骨吸収抑制薬 → 骨吸収抑制薬)
✔ ビスホスホネート(アレンドロネート) → デノスマブ
骨密度が上昇させうる。骨折率は変化なし。
✔ デノスマブ → ビスホスホネート(アレンドロネート)
1年間は骨密度が維持。
✔ デノスマブ → ゾレドロン
1年間は骨密度が維持も2年後は低下。
▣ 逐次療法(骨吸収抑制薬 → 骨形成促進薬)
✔ ビスホスホネート薬 → テリパラチドへ
腰椎の骨密度上昇。大腿骨近位部の骨密度低下。
✔ ビスホスホネート薬 → ロモソズマブ(イベニティ®)
腰椎/大腿骨近位部の骨密度上昇。
▣ 逐次療法(骨形成促進薬 → 骨吸収抑制薬)
✔ 骨形成促進薬 → ビスホスホネートやデノスマブ
骨密度上昇効果/骨折抑制効果の維持が示されている。
✔ アバロパラチド(オスタバロ®) → アレンドロネート
骨密度は上昇し、アバロパラチドで得られた骨折抑制
効果は維持。
✔ ロモソズマブ(イベニティ®) → アレンドロネート
骨密度は上昇し、ロモソズマブで得られた非椎体骨折
抑制効果は増強。
✔ ロモソズマブ(イベニティ®) → デノスマブ
骨密度は上昇し、ロモソズマブで得られた椎体骨折抑
制効果は維持。
|