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最終更新日:2016.7.13
 尋常性ざ瘡ガイドライン2016



  尋常性痤(ニキビ)ガイドライン2016
 が公表されました
. 

尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)は,「アクネ」「ニキビ」とよばれ, 思春期以降に発症する顔、胸、背中に出現する皮疹です.90%以上の人が経験することから,「ニキビは青春のシンボル」と軽視されがちです. しかし, 放置すると痕が残り生活の質(Quality of LifeQOL)が低下するほか, いじめの原因にもなることから,早期治療が重要と考えられます. 塗り薬として, アダパレン, 過酸化ベンゾイル, クリンダマイシン/過酸化ベンゾイル配合剤などの使用により、治療レベルが向上しました. ガイドラインは今後5年をめどに改定される予定です.


        index
 1. ニキビの定義 / 炎症性・非炎症性  
 2. ニキビの治療薬
 3. 微小面疱の治療
 4. 面疱(白ニキビ・黒ニキビ)の治療
 5. 面疱(赤ニキビ・膿疱)の治療
 6. 膿腫・硬結の治療法
 7. 日常生活の注意点
 




     重症度の分類


 アクネ研究会により作成されました.皮疹数(赤いニキビの数を主体)による基準を下記に示します




  軽 症:片顔に赤いニキビ(炎症性皮疹)が5 個以下

  中等症:片顔に赤いニキビ(炎症性皮疹)が6 20

  重 症:片顔に赤いニキビ(炎症性皮疹)が21~50個

  最重症:片顔に赤いニキビ(炎症性皮疹)が51 個以上




   治療推奨のグレード分類


 ガイドラインでは, 治療の推奨度をA, A*, B, C1, C2, Dに分類しています. 実際はこれら推奨度に加え, 患者様の意向,治療環境等を考慮し治療法を決定いたします. 


 A,A*:行うよう強く推奨する.

 B:行うよう推奨する.

 C1:選択肢の一つとして推奨する.

 C2:推奨しない.

 D:行わないよう推奨する.






  ニキビの定義 / 非炎症性と炎症性. 



  非炎症性ニキビ

微小面疱

1微小面疱(びしょうめんぽう)

 先行して見られる変化.毛穴がつまり,毛包
 内に脂がたまった状態.観察不能でも「ニキ
 ビ
」の周りに存在しており,早期治療が重要.



2
面皰(めんぽう:comedones)白ニキビ・黒ニキビ

 毛穴の皮膚の表面が厚くなり(過角化)毛穴が
 塞がります. 毛包内に脂が貯留し,ニキビ菌
 がたまり,悪循環となります. 

 ▸ニキビ(閉鎖面皰) 0.13mmの小さな
  盛り上がり. 毛穴が栓で詰まる.

 ▸ニキビ(開放面皰) :内容が増え,毛
  穴が広がり内容物(黒色の固まり)が露出. 




 炎症性ニキビ


赤ニキビ


3
ニキビ(紅色丘疹)

 白ニキビや黒ニキビが化膿し腫れる. 毛孔
 の部分に赤いもりあがり(隆起)が出現.





膿疱


4
膿疱(のうほう)

 赤ニキビがさらに進展. 熱や膿を持った赤い
 湿疹がますます大きくなる.



5嚢腫(のうしゅ)

 炎症がさらに深部へ進行. 毛包が拡大してさらに盛り上がり,
 進行した重症型.


結節

6結節(けっせつ)

 毛包壁の破壊が進み,固く触れる結節となる.






炎症性皮疹と非炎症性皮疹





  にきびの治療薬.


 ディフェイリン(アダパレン0.1%ゲル)


効果ディフェイリン

・毛穴をひらき,新たなニキビを防ぐ.
ニキビが腫れ上がるのを予防します.

・直接的な抗炎症作用を持つが抗菌効果はない.

・炎症性皮疹(軽症から重症)および面疱に強く推奨されます.


副作用

5パーセント未満に湿疹,ざ瘡,接触性皮膚炎,皮膚刺激,
 皮脂欠乏症, 眼瞼炎,水疱,皮膚炎,皮脂欠乏性湿疹,
 皮膚疼痛,発疹,そう痒性皮疹,脂漏性皮膚炎,皮膚浮腫,
 顔面腫脹,蕁麻疹,乾皮症

5パーセント以上に皮膚乾燥,皮膚不快感,皮膚剥脱,紅斑,
 そう痒症

・妊娠中の投与に関する安全性は確立されていませ.




 ベピオゲル(過酸化ベンゾイル 2.5%ゲル:BPO


効果
ベピオゲル

・抗菌作用(フリーラジカルがニキビ菌を殺菌
 し,炎症を改善)

・角質層剥離作用

ニキビ自体をできにくい状態にします.

・ディフェリンにない「抗菌作用」をもち,耐性
 菌をつくりません.


副作用

5パーセント未満に皮膚のかゆみ,かぶれ,しっしん,ピリピリ
 感、灼熱感

5パーセント以上に皮膚のカサカサ感(鱗屑や落屑と呼びます)
 赤み・乾燥・刺激感
・口周辺や目の周りに塗ると口角炎・眼瞼炎
 が報告されています.

・妊娠娠中の投与に関する安全性は確立されていません. 




 デュアック配合ゲル(過酸化ベンゾイル+クリンダマイシン)


効果

デュアック・クリンダマイシン(CLDM) と過酸化
 ベンゾイル(BPO)の両者にP. acnes
 に対する抗菌作用あります.

CLDMは抗炎症作用あります.


副作用

・長期維持療法は,現在のところ科学的根拠はありません.

・CLDM 外用の長期連用によって, P. acnesが抗菌剤耐性を獲得
 する可能性があるため推奨されません.





 ダラシンTゲル(クリンダマイシン)


効果

デュアック・クリンダマイシン(CLDM
  → P. acnes に対する抗菌作用および
 
抗炎症作用があります.
1日に2回、洗顔後に適量を患部に塗布.
1ヶ月の使用で、赤ニキビの半数が減少.


副作用

・長期維持療法は,現在のところ科学的根拠はありません.

・CLDM 外用の長期連用によって, P. acnesが抗菌剤耐性を獲得
 する可能性があるため連用は推奨されません.





 ■エピデュオゲル(アダパレン/過酸化ベンゾイル配合ゲル


効果

・上述のアダパレンと過酸化ベンゾイルの
 配合ゲルです(相補的作用の2剤を配合 
・角化異常を改善する(アダパレンの作用)

・抗菌活性および角質層剥離作用(過酸化ベンゾイルの作用)

ニキビ自体をできにくい状態にします.

・過酸化ベンゾイルは他の抗菌剤と異なり、「抗菌作用」をもち,耐
 性菌をつくらず、長期使用が可能です.

・アダパレンと過酸化ベンゾイル単剤で対応可能な場合は、単剤で
 開始することを推奨します.
・過度の紫外線曝露を避けてください
 (日焼け止めクリームを推奨).
・日焼けランプは禁止です.


副作用

5パーセント未満に皮膚のかゆみ,かぶれ,しっしん,ピリピリ
 感、灼熱感

5パーセント以上に皮膚のカサカサ感(鱗屑や落屑と呼びます)
 赤み・乾燥・刺激感・口周辺や目の周りに塗ると口角炎・眼瞼炎
 が報告されている(開始後1ヶ月以内に起こることが多く、投与中止により回復します).

・妊娠娠中の投与に関する安全性は確立されていません.
・ 








  微小面疱の治療. 

微小面疱











 推奨度A:行うよう強く推奨


 ▶
ディフェイリン(アダパレン0.1%ゲル)を強く推奨
する.

 ・毛包上皮の角化を正常化させ,新たな面皰の形成を阻害.

 ・引き続き生じてくる炎症性皮疹も予防する.

 ・開始時からノンコメドジェニックな保湿剤を併用することで,
  ディフェイリン(アダパレン0.1%ゲル)の効果妨げずに,皮
  膚刺激感,鱗屑,紅斑などの皮膚刺激症状が軽減する.
 ・保湿剤の「ニキビ」に対する有効性を示す根拠は無く,保険適
  用も無い.


 ▶ベピオゲル(過酸化ベンゾイル 2.5%ゲル)を強く推奨する.

 ・副作用として塗布部位の紅斑や 落屑などはあるものの,容認で
  きる範囲




 推奨度B:行うよう推奨


 ▶
面皰にディフェイリン(アダパレン0.1%ゲル)とベピオゲル
 (過酸化ベンゾイル 2.5%ゲル)の併用はを推奨する.

 ・両剤を併用することは相乗的な効果が期待できる.

 ・塗布部位の皮膚刺激症状の頻度が増える.







  面疱(白ニキビ・黒ニキビ)の治療. 
白ニキビ・黒ニキビ
















 推奨度A:行うよう強く推奨


 ▶ディフェイリン(アダパレン0.1%ゲル)を強く推奨する..

 ・毛包上皮の角化を正常化させ,新たな面皰の形成を阻害.

 ・開始時からノンコメドジェニックな保湿剤を併用することで,
  ディフェイリン(アダパレン0.1%ゲル)の効果妨げずに,皮
  膚刺激感,鱗屑,紅斑などの皮膚刺激症状が軽減する.
 ・保湿剤の「ニキビ」に対する有効性を示す根拠は無く,保険適
  用も無い.


 ▶ベピオゲル(過酸化ベンゾイル 2.5%ゲル)を強く推奨する.

 ・副作用として塗布部位の紅斑や 落屑などはあるものの,容認で
  きる範囲


 ▶デュアック配合ゲル(クリンダマイシン1%・過酸化ベンゾイル
  3%
)は有を強く推奨する.

 ・長期維持療法は不可

 


 推奨度B:行うよう推奨


 ▶面皰にディフェイリン(アダパレン0.1%ゲル)とベピオゲル
 (過酸化ベンゾイル 2.5%ゲル)の併用はを推奨する.


 ・両剤を併用することは相乗的な効果が期待できる.

 ・塗布部位の皮膚刺激症状の頻度が増える.

 



 推奨度C2:推奨しない



 ▶
面皰に外用抗菌薬を推奨しない.


 ・抗菌薬が面皰に有効とする基礎データが少なく,作用機序に関
  する根拠もなく,
保険適応外.


 面皰に漢方は有効か?
  推奨度 C1:(荊芥連翹湯,清上防風湯,十味敗毒湯),
         他の治療が無効,あるいは他剤が使用できない
         状況では選択肢の一つとして推奨する.

  推奨度 C2:(黄連解毒湯,温清飲,温経湯,桂枝茯苓丸)
         十分な根拠がないので推奨しない.





  面疱(赤ニキビ・膿疱)の治療. 


















 推奨度A:行うよう強く推奨


 ▶ベピオゲル(過酸化ベンゾイル 2.5%ゲルを強く推奨する.


 ▶ディフェイリン(アダパレン0.1%ゲル) と外用抗菌薬の併用
  を強く推奨する.


 ▶ディフェイリン(アダパレン0.1%ゲル) を強く推奨する.


 ▶デュアック配合ゲル(クリンダマイシン 1%/過酸化ベンゾイル
   3%) の配合剤を強く推奨する.


 ▶外用抗菌薬(クリンダマイ シン,ナジフロキサシン,オゼノキ
  サシン)を強く推奨する


 ▶内服抗菌薬:内服を強く推奨する

 ・Aビブラマイシン(ドキシサイクリン)

 ・A* ミノマイシン(ミノサ イクリン)




 推奨度B:行うよう推奨


 ▶ディフェイリン(アダパレン0.1%ゲル)とベピオゲル
 (過酸化ベンゾイル 2.5%ゲル)の併用を推奨する(塗布部位の皮
 膚刺激症状の頻度が増える事が難点).

 


 推奨度C2:推奨しない

     


 ▶
面皰に外用抗菌薬を推奨しない.

 ・抗菌薬が面皰に有効とする基礎データが少なく,作用機序に関
  する根拠もない.

 ・保険適応外

 面皰に漢方は有効か?

  推奨度 C1:(荊芥連翹湯,清上防風湯,十味敗毒湯),
         他の治療が無効,あるいは他剤が使用できない
         状況では選択肢の一つとして推奨する.

  推奨度 C2:(黄連解毒湯,温清飲,温経湯,桂枝茯苓丸)
         十分な根拠がないので推奨しない.


 ステロイド外用は推奨しない (推奨度 C2)

  ・ステロイド外用が痤瘡に有用とする根拠はない.

  ・ステロイド外用薬は,一時的に炎症を止めるが,痤瘡を誘発
   する.

  ・長期間の使用は,副作用の点から明らかに好ましくない.

 ケミカルピーリングは, 標準治療が無効あるいは実施できな
  い場合に選択肢の一つとして推奨する(保険適用外).






  膿腫・硬結の治療. 



 推奨度C1:選択肢の一つとして推奨


 炎症を伴う囊腫/硬結に,内服抗菌薬を選択肢の一つとして
 推奨する.






  日常生活の注意点. 


 推奨度C1:選択肢の一つとして推奨


スキンケア・メイク・洗顔

ニキビと化粧

 ▶オイルクレンジングで痤瘡の個数は改善
  し,メイク落しの一つの候補となる.


 ▶皮脂の除去による痤瘡予防効果は合理的
  な根拠があると考えられ,12回の洗顔
  を推奨.


 ▶洗浄剤の成分に角層 を剝がすスクラブの有効性は確立されて
  いない.


 ▶消毒薬や抗菌剤含有の洗浄剤,刺激性に配慮した洗浄剤の有効
  性は不明.


 ▶イオウ製剤は,脱脂作用と角層剝脱作用があるとされ,「ニキ
  」に保険適応が認められている.


 ▶スキンケアに痤瘡用基礎化粧品の使用が選択肢の一つとして
  推奨.


 ▶QOL改善に, 化粧(メイクアップ)指導を行うことを選択肢の
  一つとして推奨.


 ▶低刺激性でノンコメドジェニックな化粧品を選択するなど配慮
  が必要.


 ▶油性の化粧品による「ニキビ」の悪化は事実であり,コメドジ
  ェニック作用のある化粧品は 避けるべき.


 ▶経口避妊薬(ピル)について他治療で改善が不十分で,避妊を
  容認する成人女性に,経口避妊薬を使用してもよいが,推奨は
  しない.

 


 推奨度C2:推奨しない


内服・ビタミン
 
ニキビと内服薬 ▶「ニキビ」にスピロノラクトンの内服を
  推奨しない.

 ▶「ニキビ」にビタ ミン剤( AB2B6
  
E )の有効性を推奨する根拠はない.

   ・ビタミン A :毛包表皮の角化を抑制

   ・ビタミン B2 B6 :皮脂分泌を抑制

   ・ビタミン E は過酸化脂質を抑制

 ニキビの食事指導
食事

 ▶
チョコレートは「ニキビ」の悪化因子に
  なることは否定されている.


 ▶100%
カカオパウダーは「ニキビ」を
  誘発したとする報告があるが(小規模な
  検討),さらなる検討が待たれる.


 ▶砂糖の摂取量は「ニキビ」に関係しない.


 ▶特定の食物が「ニキビ」の悪化因子である明確な証拠はない.


 ▶極端な偏食は避け,バランスの良い食事摂取が推奨.


 ▶健康的であるとしてあげられる食品の有効性が示されている.

 ▶魚油に多く含まれるエイコサペンタエン酸を含むサプリメント
  の有効性は不明。



            (尋常性痤瘡ガイドライン2016より抜粋
)

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