ヘルペスウイルス感染症
単純ヘルペス(herpes simplex)
■ 単純ヘルペスとは
❑ 単純純ヘルペスウイルスの初感染、再感染、
再発によって起こります.一度感染すると一
生涯、体の中に潜んでいて、免疫力が落ちたと
きに再発します.
❑ 初めての初感染は、ウイルスに対して免疫を持
っていないために高熱などの全身症状を伴いことがあります。
❑ 再発(体に潜伏していたウイルスが、再活性化する)により、
皮膚や粘膜に「小さな水ぶくれ」や「ただれ」が生じます.
■ 単純ヘルペスの好発部位
❑ 歯肉、口内、口唇、顔面、角膜、性器、手指、殿部、脳
❑ 部位別の頻度 : 口唇 > 性器 > 顔面
■ 単純ヘルペスのタイプと好発部位
❑ HSV-1
➢ 主に上半身に発症(顔面,特に口唇に再発).
➢ 水疱、びらん面などの病変部や唾液などとの接
触感染や飛沫感染、またはウイルスに汚染さ
れた手指や器具などから感染します.
➢ 最近では初感染年齢が高いとされており、成人に達してもHSVの
抗体保有率は45%程度です。
❑ HSV-2
➢ 主に下半身に発症します(性器).
➢ 主として性行為で感染し、近年成人の初感染が増加しています.
➢ HSV-1よりも再発頻度が高いとされており、数回/月~1回/数年
とされています.
■ 単純ヘルペスの診断方法
➢ 一般的には,痛み,皮膚所見(発赤や水疱)などの
臨床症状で判断します.
➢ 検査法にはウイルス分離法、ウイルス抗原検
出法、ウイルス核酸検出法があります.
■ 単純ヘルペスの治療方法
❑ 軽 症
➢ 抗ヘルペス薬(アシクロビル、ビダラビン)
の外用を行いますが、原則的には、抗ウイル
ス薬の全身投与が基本です.
❑ 重症・免疫不全
➢ 抗ヘルペス薬(アシクロビル、ビダラビン)の点滴治療を行います.
➢ 二次感染(細菌)をを合併した場合は,抗生物質を使用します.
■ 単純ヘルペスが再発する場合の治療方法
❑ 年6回以上再発
➢ 抑制療法の対象です.抗ウイルス薬を毎日内服します.
➢ バラシクロビルを500mg毎日一回内服します(約1年間)
➢ 一年経過後に一旦中止しますが、再発が2回以上繰り返した場合は、再度
継続します.
➢ 抑制療法を行っても再発繰り返す場合は、次の方法を試みます.
・250mg/日を1日2回内服します.
・1000mg/日を1日1回内服します.
➢ 単純ヘルペスは再発を繰り返しますが、いずれ再発しなくなるとされて
います.
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