高尿酸血症・痛風の診断
■ 高尿酸血症と痛風の診断
非プリンアナログ系尿酸産生阻害薬(フェブキソスタット)は,
病型にかかわらず十分な尿酸低下作用を認めます.したがって
最近は「病型分類」の必要性は減っています.
以下「病型分類」について説明いたします.
■ 高尿酸血症の病型分類
・尿酸排泄低下型(60%)
・腎負荷型
(10%)
(尿酸産生過剰型+腎外排泄低下型)
・混合型(30%)
■ 高尿酸血症の形成要因
・遺伝要因
・環境要因
‣肥満
‣アルコール摂取
‣高プリン体食の過剰摂取
■ 高尿酸血症の病型分類の方法
■ 採血および検尿の方法
3日前 |
高プリン体食・飲酒制限 |
検査当日(起床後) |
絶食・飲水コップ2杯 |
検査当日(来院後)
30分前
検査開始
30分後
60分後 |
飲水300㎖
適宜排尿
採血[尿酸・クレアチニン]
60分間尿の検査[尿酸・クレアチニン]
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■ CUAの算出方法
[尿中尿酸濃度(㎎/㎗)×60分間尿量(㎖)]
CUA =
[血漿尿酸濃度(㎎/㎗)×60]×1.73/体尿面積(㎡)
正常値:11.0(7.3~14.7) ㎖/分
■ Ccrの算出方法
[尿中クレアチニン濃度(㎎/㎗)×60分間尿量(㎖)]
Ccr =
[血漿クレアチニン濃度(㎎/㎗)×60]×1.73/体尿面積(㎡)
正常値:134(97~170) ㎖/分
■ Ccr
/Ccrの算出方法
[尿中尿酸濃度×血漿クレアチニン濃度]
CUA/Ccr =
[血漿尿酸濃度×尿中クレアチニン濃度]×100%
正常値:8.3(5.5~11.1) ㎖/分
■ 尿中尿酸排泄量の算出方法
[尿中尿酸濃度(㎎/㎗)×60分間尿量(㎖)]
尿中尿酸排泄量 =
[100×体重(㎏)
正常値:0.496(0.483~11.1) ㎎/㎏/時
■ 尿中尿酸排泄量・CUAによる病型分類
病型 |
尿中尿酸排泄量(㎎/㎏/時) CUA(㎖/分 |
腎負荷型 |
>0.51 および
≧0.73 |
尿酸排泄低下型 |
<0.48 あるいは
<0.73 |
混合型 |
>0.51 および
<0.73 |
■ 痛風性関節炎の診断
● 痛風関節炎は関節内や関節周囲組織に沈着した
尿酸-ナトリウム結晶により誘発される関節炎な
いし滑液包炎です.
● 化膿性関節炎との鑑別や感染を否定するためには
,関節液採取と顕微鏡検査が必要です.
● 関節液中の尿酸-ナトリウム結晶の検出が,確定
診断となります
● 痛風発作中の血清尿酸値は低いことがあり血清
尿酸値の診断的価値は高くありません.
● 関節エコー,dual energy CTが有用です.
● 関節エコーでは,double counter sign(軟骨表面のMSU結晶の沈着)
やMSUの検出に優れています.
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