information痛風発作について
・2019年「高尿酸血症・痛風治療ガイドライン第3版」に改訂されました。
・血清尿酸値:7.0mg/dLと定義されています。
・高尿酸血症は,尿酸塩沈着症(痛風関節炎,腎障害など)の病因になります。
・女性は尿酸値7.0mg/dL以下でも,尿酸値の上昇が生活習慣病の一因となります。
・高尿酸血症や痛風発作に関与する要因として、遺伝要因や環境要因(肥満,アルコール摂取,高プリン体食の過剰摂取)があげられます。その他過食・過飲・脱水など環境要因により,痛風がおこることもあります。
痛風発作とは
・痛風関節炎は関節内や関節周囲組織
に沈着した尿酸-ナトリウム結晶に
より誘発される関節炎ないし滑液包
炎です。
・関節液中の尿酸-ナトリウム結晶の
検出により、診断が確定されます。
・血清尿酸値は低いことがあり、診断
的価値は高くありません。
・関節エコーが有用です。エコーは,
double counter signやMSUの検出
に優れています.
痛風の初期治療
・急性痛風関節炎の治療はできるだけ
早く開始し,軽快したら中止します。
・痛みに対し,非ステロイド系抗炎症
薬,コルヒチン,グルココルチコイ
ドがあります。
・コルヒチンは発症12時間以内に1㎎,
その1時間後に0.5㎎を内服します。
・プレドニゾロンは20~30㎎/日を目
安とし,3~5日間内服します。
・関節内注射を施行する事もあります。
・痛風結節は尿酸降下薬によって血清
尿酸値を長期間十分低下させること
で縮小,消失することがあります。
・重症例では,尿酸値5㎎/㎗以下を目
標とすることが推奨されます。
高尿酸血症の治療薬
・尿酸降下薬は以下に大別されます。
①尿酸生成抑制薬:アロプリノール
フェブキソスタットなど.
②尿酸排泄促進薬:
ベンズブロマロンなど.
・尿酸生成抑制と尿酸排泄促進薬の併
用も有効です。
・一部の尿酸生成抑制薬は,尿酸排泄
低下型にも有効です。
・一部の尿酸生成抑制薬は,中等度腎
障害までなら通常用量投与可能です。
・尿酸生成抑制薬(フェブキソスタッ
ト・トビロキソスタット)は,メル
カプトプリン水和物(白血病治療薬)
やアザチオプリン(免疫抑制剤)と併
用禁忌薬です。
・その他尿酸値を低下させる薬(本来
尿酸値を下げるお薬ではありません)
ロサルタンカリウム(高血圧症)
フェノフィブラート(中性脂肪)
アトルバスタチン(高LDL血症)
SGLT2阻害薬・ピオグリタゾン
(糖尿病の薬)
高尿酸血症・痛風治療の実際
・痛風を繰り返す場合は,尿酸値6.0
㎎/dl以下を目標とします。
・痛風発作をを誘発させないために,
尿酸降下薬は小量から開始し,必
要に応じてコルヒチンを併用します。
・大きな痛風結節を有する人は,尿酸
値5㎎/dl以下を目標とすることが推
奨されています.
・腎障害合併例は原則として尿酸生成
抑制薬を使用します。
食事の注意点
・適正なエネルギーの摂取で肥満を解
消します。
・プリン体の適正摂取量は,400㎎/日
です。
・プリン体・果糖を多く含むソフトド
リンクの制限.
・果物の摂取で,痛風リスクはあがり
ません。
・コーヒー,チェリー,ビタミンC,
乳製品(低脂肪)は痛風のリスクを
低減する可能性があります。
プリン体の多い食品
・極めて多い:鶏レバー ,干物,白子
(イサキ,フグ,鱈) ,あんこう(肝
酒蒸し),太刀魚,健康食品
(DNA/RNA,ビール酵母,クロレラ,
スピルリナ,ローヤルゼリー)など
・多い:豚レバー,牛レバー,カツオ,マイワシ,
大正エビ,オキアミ,干物(マアジ,
サンマ)など
・中程度:肉(豚・牛・鶏)類の多く
の部位や魚類など,ホウレン草,ブ
ロッコリースプラウトなど
・少ない:肉類の一部(豚・牛・羊),
魚類の一部,加工肉類,ホウレン
草(葉),カリフラワー
・極めて少ない:野菜類全般,米など
の穀類,卵(鶏・うずら),乳製
品,豆類,キノコ類,豆腐,加工品
高尿酸血症の運動療法
・適切な強度の有酸素連動(歩行・ジョ
ギング・社交ダンスなど)。
・短時間の激し運動では,尿酸値が上昇
します。
・10分/回以上(少し脈が早くなる程度),
合計30-60分/日程度が適しています。
意ください。