岡山市中区円山の長井クリニックです。

高血圧症

1. 高血圧症とは

   高血圧症は，脳心血管病死亡の最大要因です。血圧120/80mmHgを超えると，死亡リスクが増加します。

2. 家庭血圧の測定

   上腕カフ血圧計を用います。2回測定し，その平均値を血圧値とします。朝,晩それぞれの平均値を評価します。家庭血圧測定は，上腕カフ血圧計を用います。2回測定し，その平均値を血圧値とします。

3. 病院と家で血圧値が違う場合

   家庭血圧を優先します。

4. 早朝高血圧

   アルコール，喫煙，寒冷，起立性高血圧などが関与します。

5. 夜間高血圧

   心不全，腎不全，自律神経障害，糖尿病などが関与します。

6. 昼間高血圧

   職場や家庭での精神的ストレス，身体的ストレスなどが関与します。

7. 仮面高血圧

   正常血圧の9-23％にみられます。腕カフ血圧計を用います。2回測定し，その平均値を血圧値とし

8. 白衣高血圧

   高血圧患者の15-30％にみられます。

1. 高血圧の治療方針

   130/80mmHg未満を推奨します。75歳以上は、140/90㎜Hgでもよいとされています。
   

2. 日常生活について

   減塩（塩分摂取量は6g/日未満）が推奨されます。野菜・果物を積極的に摂取し，コレステロールの摂取を控えましょう．
   

3. 体重について

   適正体重（BMI　25未満）を維持しましょう。
   

4. 運動について

   軽強度の有酸素運動を毎日30分，週180分以上行いましょう。

5. アルコール・タバコについて

   節酒（エタノールとして男性20-30mL/日以下、女性10-20mL/日以下）しましょう。また禁煙しましょう。

6. 特定機能食品・機能性表示食品

   特定保健用食品（トクホ）は、効果が不明です。摂取について積極的に勧められません。

高血圧と合併症

1. 糖尿病

   診察室血圧は130㎜Hg未満、家庭血圧は25mmHg未満を目標とします。腎症合併例は、ARB、ACE阻害薬が優先されます。

2. 肥満・メタボ

   3％以上の減量で降圧が期待できます。ARB、ACE阻害薬の使用が推奨されます。

3. 睡眠時無呼吸症候群

   早朝高血圧や治療抵抗性高血圧では、閉塞性睡眠時無呼吸症候群を疑います。家庭血圧測定で早朝高血圧を示す場合は，積極的にOSASを疑います。

4. 痛風・高尿酸血症

   利尿薬・β遮断薬は尿酸値を上昇させます。ロサルタンは、尿酸値を低下させます。
   尿酸降下薬の選択は，病型分類に基づいて行い，腎機能低下者では選択する薬剤や用量に注意を要します。新規キサンテンオキシダーゼ阻害薬は病型や腎機能低下の有無によらず有効な可能性があります。

5. 喘息・慢性閉塞性肺疾患

   気管支喘息・使用不可の薬：β遮断薬・αβ遮断薬。

6. 肝臓疾患

   重症の肝機能障害において、β遮断薬は肝硬変患者の消化管出血と死亡のリスクを低下させる可能性があります。また、RA系阻害薬は、肝臓の線維化を抑制する可能性があります。

7. 高齢者

   高齢者において、脳心血管病予防のため降圧治療を考慮します。75歳以上は‣140/90㎜Hg未満が推奨されます。ただし忍容性あれば130/80㎜Hg未満が推奨されます。高齢者において、脳心血管病予防のため降圧治療を考慮します。 ここに説明文が入ります。ここに説明文が入ります。